92ODE: 2006年9月アーカイブ
ODEで作成したAIBOシミュレータ
ゲーム開発やロボットの研究者にも使われているオープンソースの物理計算エンジンODE(Open Dynamics Engine、オープン ダイナミクスエンジン)を学ぶODE講座の4回目です。 Linuxでのインストール方法を説明しましょう。
0.6からビルドシステムが変わりmingw、Linux、OS Xをインストールする方法は基本的に同じになりとても簡単です。私の環境は少々古く次のとおりですが、0.8も問題なくソースからコンパイル・イン ストール できました。
なお、OS Xの環境ではgccのバージョンを4.0以上に上げなければインストールできませんでした。私の環境ではね。
gcc 3.4.4
automake 1.9.2
autoconf 2.59
A. ODEのダウンロード
ODEのウェブサイトの左メニューバーにあるdownload→Source Code→Version-numbered source releases:をたどってode-src-0.8.zipをダウンロードします。ミラーサイトは自動的に選ばれるようになりました.私の環境では近所のJAISTが選ばれ,ダウンロードが開始します.ダウンロード先はこの例では/tmpにします。
B. ODEのインストール
これからの作業はLinuxの基本的な操作を知っている人を対象とします。
1. kterm, rxvt, gnome-terminalなどのターミナルを起動してください。
2. ホームディレクトリへ移動
$ cd
3. ホームディレクトリにsrcディレクトリを作成し、そこに移動する
$ mkdir src
$ cd src
4. ダウンロードしたode-src-0.8.zipを上で作成したディレクトリにコピーする
$ cp /tmp/ode-src-0.8.zip .
5. ode-src-0.8.zipを展開(解凍)するとode-0.7ディレクトリが作成される
$ unzip ode-src-0.8.zip
6. ode-0.8ディレクトリへ移動
$ cd ode-0.8
7. configureの実行
$ ./configure --enable-double-precision
8. makeの実施
$ make
9. make installの実行
$ su
$ make install
10. drawstuffのライブラリlibdrawstuff.aはmake installでコピーしてくれないので、手動でコピーします。ここではlibode.aと同じように/usr/local/libの下にコピーします。
$ cp ~/src/ode-0.8/drawstuff/libdrawstuff.a /usr/local/lib
C. テスト
$ cd ~/src/ode-0.8/ode/test
$ ./test_buggy.exe
ODE付属プログラムtest_buggy.exeのスクリーンショット
Simulation test environment v0.02のウインドウが開きバギーが表示されたら成功です。ごくろうさま!'a'キーを押すと前進、'z'キーで後進、','キーで左折、'.'キーで 右折します。このバキーは3輪なのですぐ転倒してしまいます。
おしまい。
更新記録
- 2007-10-1: drawstuffライブラリのコピーを明記
- 2007-05-15: 説明を詳しくした
ゲーム開発やロボットの研究者にも使われているオープンソースの物理計算エンジンODE(Open Dynamics Engine、オープン ダイナミクスエンジン)を学ぶODE講座の3回目です。
ODEのバージョン0.5まではCygwinでODEとそのテストプログラムをインストール並びに実行できましたが、0.6になってからはODEのライブラリはコンパイルできますが、テストプログラムは実行できなくなりましたが,最新のソースコードでは問題ないという報告をTuMikiさんから頂きましたので紹介します.
- Windows Vista Ultimate
- cygwin1.5.24-2
- gcc 3.4.4-3
Vistaのマシンが手に入ったので試してみました。試したところ、以下の私の環境ではODE0.8のソースコードからライブラリはコンパイルできましたが、テストプログラムは相変わらず実行できませんでした。Tumikiさんはsubversionの最新ソースからコンパイルされた可能性がありますね。 (2007-7-28更新)
- ODE 0.8
- Windows Vista Business
- cygwin1.5.24-2
- gcc 3.4.4
ODE付属テストプログラムtest_crash.exe
ゲーム開発やロボットの研究者にも使われているオープンソースの物理計算エンジンODE(Open Dynamics Engine、オープン ダイナミクスエンジン)を学ぶODE講座の2回目です。
今回はODE (Open Dynamics Engine)の最新バージョン0.8のインストールについて説明します。ODEはマルチプラットフォームなのでWindows、Linux、Mac OS Xでも利用可能です。
今回はWindows環境でしかもインストールがもっとも簡単なMinGW環境を使った方法を説明します。ODEの最新バージョン0.8はWindowsのフリーの開発環境Cygwinではテストプログラムをコンパイルできません。
MinGWはCygwinの ようにLinuxとの互換性は高くありませんが、150MBもディスクに空きがあればインストール可能ですし、バイナリを実行するときに特別なライブラリ が必要なくGPLで配布する必要もない(注1)ので重宝します。そのうえ、gcc、make、gdbなどのLinuxで標準的な開発ツールを使うことができます。
注1:Cygwinで作成したバイナリはcygwin1.dllを使うので、これも同時に配布しなければならない。これはGPLなので自分の作成したプロ グラムもGPLで配布しなければいけないのです。
では、以下について図とリンク付きで詳しく説明していきます。
0. ユーザーアカウント名のチェック
これからインストールするMinGW+MSYS 環境ではユーザーアカウント名が日本語の場合、フォルダの一部が文字化けし作業がうまくいきません。
「コントロールパネル」→「ユーザアカウント」でアカウントが英語になっているか確認してください。日本語の場合は「新しいアカウントを作成する」で英語のアカウントを作成してください。その際、スペースなどはいれないでください。なお、「アカウントを変更する」でアカウント名を変更してもフォルダー名は変わらないのでだめです。必ず、新規の英語(苗字または氏名のローマ字が良いでしょう)のアカウントを作成してください。
ODEで作成したヒューマノイドシミュレータ
ODE (Open Dynamics Engine、オープン ダイナミクスエンジン)はラッセルスミスさんらがオープンソースで開発しているフリーの動力学計算エンジンで私は2001年から使い始めました。図のようなシミュレータを 比較的簡単に作成することができます。WinKITチームはODEを利用してロボカップ中型ロボットのシミュレータを作り、戦術やデバッグなどに使用して います。
この講座ではODEの使い方を初心者を対象に非定期的に連載していきたいと思っています。いつまで続くかわかりませんが、読者の皆様のフィードバックは連載を続けていく励みとなりますのでよろしくお願いします。
まず特徴ですが、なんと言っても、フリーで使いやすい物理計算エンジン(剛体動力学計算)ということです。日本には世界に誇るOpenHRPというヒューマノイド用の総合ソフトウェア開発環境がありますが、初心者にはあまりにも敷居が高く、また実行するためにIONA社のOrbix/Eのソフトウェアライセンスを取得しなければならず、それに2年間で55650円の費用がかかるため教育や個人の趣味で利用しづらいのが現状です。
以下、主な特徴を列挙します。
- フリー:オープンソースでライセンスはGNUのLGPLとBSDとなり自分の好きな方のライセンスを使えます(詳細はここを見てください)。商用でもフリーで利用することができます。 もちろん、授業や個人の趣味で使用するには最適です。
- 使いやすい:3次元グラフィクス(Open GL)と衝突検出機構が組み込まれているのですぐ使えます。マニュアルがしっかりしており、サンプルプログラムも豊富です。さらに、ODEコミュニティの 活動も盛んで、過去メーリングリストもウェブサイトで読むことができます(ただし、英語)。
- 高速:商用のゲームエンジンなどにも使われるくらいですからスピードは高速です。遺伝的アルゴリズム、強化学習などの研究用に適しています。今年のロボッ ト学会でも多くの研究者がシミュレーション用に使っていました。ただし、計算精度が高くないので精度が求められる用途には適しません。
- マルチプラットフォーム:Windows, Linux, Macでも使用可能です。Linuxでしか動かないソフトは授業では使いずらいものです。
- C/C++言語:プログラミング言語はCでもC++でもOKです。
