3education: 2007年7月アーカイブ
吉田酒造
外国人と話をすると日本文化についてよく聞かれます。日本文化を知るために福井にある吉田酒造の「初呑み切り」という伝統的な行事に参加しました。
初呑み切りは、酒造にとって大切な行事です。冬に仕込んだ原酒は約1年寝かせ翌年の秋に出荷するわけですが、その前に熟成具合をチェックするのです。杜氏にとっては、この出来が良いか悪いかで収入が大きく変わる運命の日でもあります。
今回お邪魔したのは福井県にある吉田酒造です。吉田酒造は1803年に創立された伝統のある酒造です。福井では黒龍といううブランドが圧倒的に知名度があり、私もそのファンの一人です(福井大学の先生ありがとう)。白龍というブランドを知ったのはKITの近くにリカードゥという酒屋さんがあり、そこの白龍「修」というお酒がリーズナブルでとても個性的だったので気になり、その酒造に興味を持ちました。今回の初呑み切りの行事はリカードゥさんのツアーの一環です。ただお酒を売るだけではなくこのようなイベントを企画することはお酒好きにとっては非常に評価できます。もちろん、酒造までの往復はリカードゥさんがチャーターしたバスなので飲酒運転の心配はありません。
吉田酒造自慢の完全熟成堆肥で育てた山田錦(食するには不味いそうです)
さて、初の呑み切り儀式に参加する前に、酒造を見学させてもらいました。1升ビンで1年間に約1万本しか出荷しない小さな酒造さんなのでタンクも小さかったですが、この酒造さんは品質にこだわっており、自家製田で山田錦を栽培しています。しかも、化学肥料を使わず自然農法でお米を育てているのです。多少高くても安心して呑めます。吉田酒造の蔵元は商売っ気のない職人気質の方で好感が持てました。
初の呑み切りした9種のお酒
初の呑み切では、吉田酒造が誇る9種の日本酒をテースティングするわけですが、私のような日本酒愛好家にとっては、テースティングのために口に含んだお酒を吐き出すことはできず、喉を潤しました。どのお酒も美味でしたが、私が好きなものは常用酒としている「回顧酒 旭泉(1800ml, 2000円、リカードゥでは修)」と本店とリカードゥでしか販売していない「白酔(1800ml, 2500円インターネットで購入不可)」というお酒です。旭泉は江戸時代のお酒を復元するというコンセプトで造られたものです。江戸時代は精米技術が今のように進んでおらず、約85%程度しか精米していないと考えれています(ちなみに現在の大吟醸は40%、つまり60%は捨てます)。スッキリ感はありませんが、コクがありとても美味です。しかも、火入れをしていない生酒なのでビン内熟成します。ロックにするとキリットして、燗にすると重厚な味わいになります。白酔は白酔会という中村酒造の愛好会がブレンドしたお酒です。こちらは、旭泉(修)と違い現代のテクノロジーにより造られたお酒です。どちらもリーズナブルなうえに美味しいので多くの方にお勧めできます。
成人で日本酒をお好きな方は騙されてと思って試されてはいかがでしょうか。amazonでは取り扱っていませんが、以下の吉田酒造さんのサイトから購入できます。日本人で良かったと思うかもしれませんよ。
参考サイト
吉峰寺(きっぽうじ)
外国人と話をすると日本文化について良く聞かれます。日本文化を良く知るために福井県にある吉峰寺という禅寺を参拝しました。
吉峰寺は曹洞宗(そうとうしゅう)の寺で、大本山である永平寺が開山する前に道元(どうげん)が滞在し、曹洞宗の真髄を語っている「正法眼蔵」の約3分の1を約1年間で書き上げた寺として知られています。
そこの住職さんからお話をお聞きしたので、簡単に紹介します。禅というと良く禅問答を思い出される方も多いかと思いますが、曹洞宗はそのような問答を使わず、ただひたすら心を無にして坐禅することが修行になるとのことです。普段頭を良く使うインテリ向きの禅宗といえるかもしれません。
また、曹洞宗は目立つことを嫌い名誉や権力とは無縁だったそうです。武家政権と密接な関係を持ち勢力を広げた臨済宗(りんざいしゅう)とは異なり、曹洞宗は地方のお百姓さんなどが信者でした。
アメリカの影響を強く受けた今日の日本社会では成果や業績を上げなければ生き残れません。大学も例外ではありません。そのような戦いに疲れた人にとっても、物静かな山中にある吉峰寺のような禅寺は心を癒す貴重な場所だと思います。坐禅体験は随時受け付けているとのことです。
参考サイト
ソウル産業大学校舎 (旧京城帝国大学理工学部)
ソウル産業大学に用事があったので韓国へ出張しました。 ソウル産業大学の先生方によると金沢工業大学(KIT)は韓国でとても有名だそうです。 これはサムソンのシンクタンクが日本の大学教育について調査を行った結果、教育分野でKITが1位という評価を得たことによります。その結果、多くの韓国の大学がKITに見学にこられました。
その中で、KITはソウル産業大学と提携を結び、特に工学教育について機械系学科を中心として協力していくことになり、今回の出張はその一環です。ソウル産業大学は教育大学として韓国ではトップランクの大学で、ものづくり教育に力をいれており、KITと同じような立場にいます。キャンパスツアーで学生の成果を見せてもらいましたが、いずれもレベルが高く我々もうかうかしていられないと感じました。特に、ヒューマノイドロボットのレベルは高かったです。ロボカップに参加するようお願いしました
。
この大学の総長は元産業大臣で政府と強いパイプを持ち、新しいビルがどんどんでき、政府から大きな資金を得て、現在躍進しています。大学もトップでがらりと変わるという良い例です。
なお、ソウル産業大学は京城(けいじょう)帝国大学(日本が、東京、京都、東北、九州、北海道の次に立てた帝国大学)の施設も引き続き利用しています。歴史的な遺産なので壊すことができないとのことです。 ソウル市内の山側に位置するキャンパスは歴史的なビルと近代的なビルが良いハーモニーを奏でています。
今回の出張では、ソウル産業大学の方にとてもとても良くして頂きました。 この場を借りて御礼申し上げます。
京城帝国大学理工学部同窓会による石碑
ソウル産業大学の最近建築された校舎
参考ウェブサイト
